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夢の舞台の、その先へ。南野拓実が
初陣で明かした感慨と反省 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO



 オフェンスの部分ではすんなりスペースを見つけて、そこに顔を出すことができた。ボールが来ない場面は何回かありましたけど、それを続けていけば、たぶんチームメイトはわかってくれると思う。ディフェンスの部分で、もう少しセカンドボールの位置やプレッシングに行くタイミング、誰に行けばいいのかというあたりを、もうちょっと頭の中で整理できればよくなる」

 そんな南野のプレーでキックオフから際立っていたのが、「スペースの見つけ方、入り方、生かし方」だった。

 前半26分には、南野がサイドの味方に一度ボールを預け、自らペナルティエリア内のスペースに飛び込んでパスを要求。後半15分にも、中盤でオリジがボールを持つと、南野はダイアゴナルランでDFライン背後のスペースに侵入した。

 いずれもチャンスに結びつかなかったが、パスが通っていれば決定機になっていた。持ち味であるゴール前での決定的な仕事はできなかったものの、随所に「南野らしさ」は見せた。

 それらの動きを踏まえてクロップ監督のコメントを聞くと、決してお世辞ではないことに気がつく。52歳のドイツ人指揮官は熱っぽく語った。

「南野? スーパー・アウトスタンディング(極めて優れていた)。我々が求めていた選手であり、我々が獲得を望んでいた選手だ。

 知らないチームのなかでやる最初の試合だったし、練習も一緒に2回ほどしかできなかった。だが、サッカーの理解とスキルはすばらしい。姿勢も非常によかった。さまざまな局面でプレスを先導するプレーもできていた。とても気に入っている」

 後半25分の交代時には、アンフィールドの住民たちが南野をスタンディングオベーションで温かく迎えた。そんな本拠地の雰囲気に、南野は「最高ですね。サッカー選手として、これ以上ない最高のスタジアムだと思う。ダービーでファンも熱かった」とうれしそうに語った。

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