18歳の久保建英とロドリゴ。
それぞれの「選択」が道を切り開く
10月30日、スペイン大手スポーツ紙『アス』の一面を飾ったのは、レアル・マドリードの若きアタッカー、ロドリゴ・ゴエスだった。同日のレガネス戦に向け、堂々の先発予想だ。
ロドリゴは、10月22日のチャンピオンズリーグ(CL)のガラタサライ戦で、カスティージャ(セカンドチーム)から抜擢される形で初めてトップで先発し、一気に注目を浴びた。
「先発は当日に言い渡されたよ。まったく予想していなかったから、驚いた。ドキドキしたけど、楽しめたよ」
ロドリゴはそう振り返っているが、次のチャンスを確実にしたほどの働きだった。同胞のブラジル人で、ひとつ年上のヴィニシウス・ジュニオールを追い抜いた格好だ。
日本代表の久保建英も、プレシーズンは同じ18歳のロドリゴとしのぎを削っていた。むしろ久保の方が評価は高かった。しかし、「2部B(実質3部)に在籍するカスティージャでプレーさせるのはもったいない」という流れになり、1部マジョルカへの期限付き移籍が決まった。
バジャドリード戦に先発、後半23分までプレーした久保建英(マジョルカ) 久保はカスティージャに残るべきだったのか。結論から先に言えば、答えはノーだ。
久保はマジョルカで先発を確保したと言えないが、出場時間を得ている。継続的に1部リーグの試合に出られることで、選手として着実に成熟できるだろう。相手に研究されるなか(すでにその兆候は見られるが)、それを乗り越える試練も必ず糧になるはずだ。
レアル・ソシエダの"左利きファンタジスタ"マルティン・ウーデゴール(20歳)は、ひとつの指標になるだろう。
ノルウェー代表MFのウーデゴールの場合、16歳にして鳴り物入りでレアル・マドリードに入団すると、トップデビューを飾っている。しかし、実力不足を露呈し、カスティージャを中心にプレーを余儀なくされ、周囲の期待の大きさに苦しむ。カスティージャにも適応できないまま、1年間をほぼ棒に振ることになった。
そこで再びプレー機会を求め、オランダのヘーレンフェーン、フィテッセに移り、ようやくプロとして成熟しつつある。今シーズンからスペイン1部のレアル・ソシエダでプレーし、主力としてチームの優勝争いを牽引している。レアル・マドリードからは2年間の期限付き移籍契約だ。
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