菅原由勢、ポゼッションも疑似カウンターも狙うAZで成長。「いい流れ」
ポルトガルを4-2で下すなど現在好調のU-21オランダ代表のレギュラーに、AZアルクマールの若武者5人が名を連ねている。人呼んで、「AZの宝石」――。
とりわけ、右ウイングのカルビン・ステングス(20歳)は規格外の存在になりつつあり、11月の国際マッチウィークを控えてA代表の予備メンバーにも選ばれた。DFオーウェン・ワインダル(19歳)、MFトゥン・コープマイネルス(21歳)、MFダニ・デ・ウィット(21歳)、センターFWマイロン・ボアドゥ(18歳)も、いずれオランダ代表に入ってくると期待されている。
見事な連係プレーでチームの勝利に貢献した菅原由勢 今、オランダではAZがホットだ。多くの代表選手を抱えているがゆえ、10月の国際マッチウィーク明けのヘーレンフェーン戦は2-4で敗れたものの、その後はPSVを4-0、トゥウェンテを3-0で破る快勝続きで、ついにはオランダリーグ2位に浮上した。
首位アヤックスと勝ち点差は6。だが、オランダでは「PSVが調子を落とすなか、もしかしたらアヤックスと優勝を争うのはAZかも?」という声が囁かれ始めている。
第12節・トゥウェンテ戦の目前に配られたメンバー表を見ると、菅原由勢はベンチスタートだった。しかし、負傷気味のDFヨナス・スベンソンのコンディションが万全でなく、急遽、菅原が右サイドバックに入った。
今年6月にAZに移籍した19歳の菅原は、まだレギュラーポジションを奪いきれてはいない。だが、右サイドバックと右ウイングとして、オランダ1部リーグ9試合、オランダ2部リーグ4試合、ヨーロッパリーグ7試合(予備戦・プレーオフを含む)に出場と、実戦経験を着実に積み重ねている。チームの輪にもスムーズに入り込んでおり、右サイドでスベンソン、ステングス、MFフレデリック・ミチューたちと阿吽の呼吸を披露している。
トゥウェンテ戦では、GKも交えたビルドアップからビッグチャンスを作ったシーンにAZのよさが詰まっていた。18分、トゥウェンテのプレスをGK→CB→MFが粘り強くパスでかわすと、右SB菅原→右WGステングス→CFWボアドゥと、たった2本のパスでGKと1対1のシーンを作り出し、最終的に相手GKの退場を誘った。
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