吉田麻也は「南野拓実の可能性」「久保建英の語学力」にも注目 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 今から約10年前の2010年1月、吉田は若手中心で挑んだアジアカップ最終予選のイエメン戦でフル代表デビューを果たした。この時、21歳。

 ちょうど同じタイミングでオランダ1部リーグ・VVVフェンロへの完全移籍が決まり、日本代表に招集されるたびに欧州と日本を行き来する生活が始まった。長距離移動や時差ボケとうまく付き合いながら、代表でも所属クラブでもコンスタントに好パフォーマンスを残していく、という試練を乗り越えてきた。

 また、所属クラブを離れれば、スタメンの座を奪われたり、定位置争いで後れを取ったりするリスクも生じる。だが、日本代表の一員として、欧州クラブに在籍する選手には絶対に避けて通れない道だ。吉田は、若手もこうした経験を積んでいくべきだと力を込めた。

 その日本代表では2018年ロシアW杯から世代交代が進み、新しい顔が定着するようになった。なかでも最近大きなインパクトを残しているのが、チャンピオンズリーグで欧州王者のリバプールを相手に1ゴール1アシストを記録したザルツブルクの南野拓実だ。

「代表主将として、彼の活躍は心強いのでは?」と問うと、吉田は次のように答えた。

「拓実は十分、能力を持っている。24歳なので若手ではなく、結果を出さないといけない年だと思います。そのなかでああいう試合ができたのは、彼にとって非常に大きなものになるんじゃないかなと。

 ただ、コンスタントにパフォーマンスを出し続けることが、彼自身の課題だと思うので。1試合で終わらず、代表に行ってクラブに帰ってきてを繰り返しながら、CL(で同組)のリバプール、ナポリ、ゲンクとの試合でもいいプレーを見せる。次のリバプール戦も、マークされているなかでパフォーマンスを出せるようにしていけば、もう一個上のステップに行けるんじゃないかなと思います」

 もうひとり、吉田の見解を聞きたかったのが、18歳の久保建英についてだった。現在31歳の吉田とひとまわり年が離れている久保について「どう見ている?」と聞くと、その人間性を高く評価していると話した。

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