冨安健洋が体感する守備の国イタリアの細かさ。「毎日が刺激」
2019-20シーズンを迎えるにあたって、多くの日本人選手が欧州への移籍を実現させている。そのなかにはバルセロナやレアル・マドリード、マンチェスター・シティといったビッグクラブも含まれる。ただ、それらはただちにトップチームでプレーすることを前提にした移籍ではない。そういうケースを除くと、むしろ今季ここまでの特徴は、日本から直接、欧州5大リーグのクラブへ移籍した選手がいないことだろう。
そんななか、ステップアップという意味でひときわ目立つのが、弱冠20歳で日本代表にも定着した冨安健洋のボローニャ入りだ。ベルギー1部のシント・トロイデンで1シーズン半プレーをし、セリエA行きを実現させた。しかも5年契約を勝ち取っており、評価の高さをうかがわせる。
ちなみにシント・トロイデンからは、鎌田大地もレンタル元だったフランクフルトへと戻っており、5大リーグへ動くことのできた選手ということになる。
プレシーズンマッチに出場した冨安健洋(ボローニャ) 冨安は、ボローニャですでに練習試合4試合に出場している。7月26日のケルン戦では後半から、29日のシャルケ戦では先発して62分まで、8月3日のアウクスブルク戦ではやはり先発し57分までプレーした。ポジションはいずれも右サイドバックである。冨安は「練習でも右サイドバックに入ることが多い」と言っており、このポジションで考えられているのだろう。ボローニャの4バックは左サイドバックが攻撃的に上がるパターンが多い。攻撃時、最終ラインは3枚になるため、3バックの右ストッパーのような形になる。
また、8月10日のビジャレアル戦では、先発の座こそ逃したものの、2-3で迎えた後半30分から出場。フリーキックのチャンスにヘディングで同点弾を決めている。
アウクスブルク戦後に話を聞くと、新天地ならではの苦労があるようだ。「もう慣れたか」と聞くと、「いや、もう全然。全然ですよ......」という返事だった。
「大変というか、シャルケ戦もよくなかったし、今日もよくなかった。攻守ともにポジションがまだ定まっていないので、まだまだ時間が必要だなと感じます。ただ、時間をかけてポジション確保というわけにもいかないですし、簡単じゃないですね」
アウクスブルク戦では、目立ったミスもなく、無難にプレーしているように見えたが、本人はまだまだ納得とはいかないのだという。
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