ガチで来る! コパ・アメリカで
日本が対戦する3カ国が燃えている

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki
  • photo by Getty Images

◆大会3連覇の栄誉を目指すチリ

 世界最古の国別代表戦として1916年に誕生したコパ・アメリカ。3年前の2016年には、100周年記念の特別大会がアメリカで開催され、チリが優勝。その前年の通常大会も開催国のチリが制覇。そして前々回、11年のアルゼンチン大会はウルグアイが栄冠を手中にしている。つまり日本代表は、直近3大会の王者と同グループになってしまった。

 初戦のチリは、本大会を連覇した"南米王者"だったにもかかわらず、ロシアW杯はまさかの予選敗退。ライバル国のサポーターから嘲笑の的となり、代表のみならず国民も屈辱にまみれた。その汚名を雪ぐ最高の舞台が今大会。コパ・アメリカ3連覇は第18大会(45年)~20大会(47年)のアルゼンチンしかなく、今回優勝すればそれに並ぶ。そして、その勢いで来年開催される次回大会も制すれば、南米サッカー史に金字塔を打ち立てることができるのだ。

負傷明けのA・サンチェスも頑張る。チリは燃えている負傷明けのA・サンチェスも頑張る。チリは燃えている

 チリの国民性は、南米の中では異色の勤勉実直。サッカースタイルも組織的で戦略性に富んでおり、日本代表と似ている。つまり常識的なサッカー同士なので、お互いに戦いやすく実力を発揮できる。相撲でいうなら相四つだ。

 注目は何といってもFWアレクシス・サンチェス(マンチェスター・ユナイテッド)。代表歴代最多得点(41得点)を挙げているだけでなく、鋭いドリブルで相手DF陣を切り崩すチャンスメイクも得意。右足首の負傷で初戦の出場は危ぶまれていたが、レイナルド・ルエダ監督が早々と12日に発表した日本戦レギュラーの中にその名もあった。しかし、「フル出場はさせない」とのことだ。サンチェスが100%でなくとも、こちらも世界的ビッグネームのアルトゥーロ・ビダル(バルセロナ)がいるし、代表歴代得点3位(36得点)のストライカー、エドゥアルド・バルガス(ティグレス)もいる。当然、この両者には厳しく対応しなければならない。

 今回の招集メンバーには、代表キャップ100試合以上の選手が6名おり、ベテランと20代半ばの選手で構成されている。この中で最近好調なのがMFエリック・プルガール(ボローニャ)とFWホセ・ペドロ・フエンサリーダ(ウニベルシダ・カトリカ)。この伏兵にも注意が必要だ。「基本は4-2-3-1だが、チリの選手はいくつものシステムに対応できる特性を持っており、これは大きな武器だ」とコロンビア人のルエダ監督はオプションの豊富さに自信を示している。

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