2019.05.31

リバプール優勢。トッテナムにチャンスは? CL決勝を3賢人が予想!

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蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.68

 サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎――。この企画では、経験豊富な達人3人が語り合います。今回もテーマは欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝のレビュー。プレミア勢対決の注目の一戦の行方は?

トッテナムのポチェッティーノ監督(左)とリバプールのクロップ監督(右)の戦術にも注目が集まるCL決勝――いよいよ今シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)決勝戦が6月1日に迫ってきました。そこで今回は、お三方に決勝戦で対戦するリバプールとトッテナムについて掘り下げていただき、そのうえで決勝戦を展望していただきたいと思います。まずは準決勝で奇跡の大逆転勝ちを収めたリバプールからお願いします。

中山 リバプールは2シーズン連続のファイナリストとなったわけですが、これはチャンピオンズカップ時代の1976-77、1977-78と2連覇を達成したとき以来の快挙です。もちろんチャンピオンズリーグになってからは初めてのことで、それを成し遂げたユルゲン・クロップ監督の手腕はあらためてクローズアップされるべきでしょう。

倉敷 マインツ時代から、クロップはあふれる情熱と新しい戦術で何かを成し遂げようとする魅力的な監督でしたね。アンフィールドをホームに持つクラブとの出会いには運命すら感じます。

中山 リバプールは情熱のチーム、クロップも情熱の監督。そこが両者のマッチングポイントでしょうね。マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、あるいはチェルシーといったクラブでは、クロップもここまでの成功を手にできないような気がします。もしかしたらバイエルンの監督をしたとしても、ここまでうまくいくかどうかわからない。ドルトムントもそうですが、やはりクロップは、常勝を義務付けられたチームにチャレンジするクラブがフィットするイメージがあります。そういう点では、リバプールは本当に彼に合ったクラブだと思います。

倉敷 リバプールとは相思相愛で、伝統あるクラブに巧みに新しさを加えています。たとえばドルトムント時代の「ゲーゲン・プレッシング」という戦術を彼はボックス・トゥ・ボックスの強さのなかに溶け込ませました。ビルドアップから、高速でありながら丁寧にボールを運び、完璧な3トップのパワーでフィニッシュに持っていく。一方でこのチームには守備の強さもある。現在のリバプールは世界のどんな強豪とも戦えるチームです。

小澤 守備で言えば、とくにフィルジル・ファン・ダイクの存在が大きくて、彼がいることによって少ない人数でも守り切ってしまえる点がストロングポイントになっています。