2019.05.01

事実上のCL決勝戦。バルサ対リバプールを欧州番長3人はどう見る?

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蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.65

 サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎――。この企画では、経験豊富な達人3人が語り合います。今回のテーマは引き続き欧州チャンピオンズリーグ(CL)の準々決勝レビューと準決勝プレビュー。昨シーズン、惜しくも準優勝だったリバプールは、今季リベンジを果たせるのか。

――前回に続き、お三方にはCL準々決勝を振り返っていただきつつ、準決勝を展望していただきたいと思います。今回も、事実上の決勝戦とも言われているバルセロナ対リバプールについてお願いします。5月1日(日本時間2日早朝)にバルセロナのホーム、カンプ・ノウで行なわれるこのカードの第1戦、リバプールの戦力分析とともに、展望をお願いできればと思います。

倉敷 優勝候補筆頭のバルセロナと準決勝で対戦するのが、リバプールです。昨シーズンは決勝に進出しながら、モハメド・サラーが前半で負傷交代を強いられ、GKロリス・カリウスのミスもあり、レアル・マドリーの前に涙を呑みました。そのリベンジはなるか!? 準決勝までは順当に駒を進めた印象です。

 準々決勝の相手はポルトでしたが、ホームでの第1戦を2-0、アウェーでの第2戦も1-4で勝利し、トータルスコア6-1と大差をつけて勝ち上がりました。中山さんは、ポルトとの準々決勝をどう見ましたか?

昨シーズンCL準優勝のリバプールを率いるクロップ監督中山 思った以上に両チームの実力に差があったと感じましたし、やはりポルトは大黒柱のエクトル・エレーラが累積警告により出場停止だったことが大きく響いていたと思います。しかも5分、26分と、早い時間帯で2失点したことで、チーム全体の士気も低下してしまった。

 それと、この対戦でいちばん注目していたセルジオ・コンセイソン監督の采配についても、期待外れに終わった印象です。エレーラ不在が影響してか、鉄板の4-4-2ではなく、珍しく3-4-2-1に変更して戦ったわけですが、個人的にはセルジオ・コンセイソンの4-4-2がリバプールにどこまで通用するかを見たかったというのが本音です。第2戦は4-4-2に戻して戦ったわけですけど、その時点ではほとんど勝負がついていたので、もっと緊迫した状況でそれを見たかったです。

小澤 おっしゃるとおり、コンセイソン監督の5バック起用がすべてでした。エレーラに加えて、ペペが出場停止だったことで守備的なシステムにしたのでしょうが、シーズンを通してほとんど使っていないシステムですし、完全に付け焼刃でした。後ろを重くする5バックの守備的な戦術でしたので、リバプールが簡単にボールをポルト陣内まで運んでいて、いとも簡単にアタッキングサードまで侵入されていました。キックオフ直後の2分にムサ・マレガに決定機があったとはいえ、完全に弱腰になった監督の采配が裏目に出た試合でした。

倉敷 いくらポルトがホームで攻勢を仕掛けても、もともと持っているボリュームやカロリーに大きな差があるので、まるで重い階級のボクサーと戦っているようにパンチが効きません。善戦しても結局はリバプールが圧倒してしまった。しかし相手がバルサとなると、今度は同じ階級か、もしくはバルサのほうが少し重い階級になるので、リバプールはどこかで足を使うというか、無理をして戦う時間を作る必要がでてきます。

小澤 どうしてもバルセロナに押し込まれてしまいますからね。