2018.07.07

「秘策」でブラジル粉砕。
4強入りベルギーが見せた戦術の奥深さ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 日本が土俵際まで追い詰め、ついには本気を出させたと思っていたベルギーに、まだこんな奥の手が残されているとは思わなかった。日本戦のベルギーが本気でなかったとは言わないが、まだまだ底は見せていなかったということだ。

 ワールドカップ準々決勝。ベスト4進出をかけ、優勝候補筆頭のブラジルと対戦したベルギーは、この試合のために秘策を準備していた。

 決勝トーナメント1回戦の日本戦がそうだったように、ベルギーの基本フォーメーションは3-4-3である。ところが、ブラジル戦では自分たちがボールを保持して攻めているときは、従来どおりで戦うものの、相手にボールがわたり、守備ブロックを作るときには4-3-3へとシフトチェンジ。左アウトサイドのMFナセル・シャドリが中央よりに絞って3ボランチを、右アウトサイドのMFトーマス・ムニエはDFラインに下がって4バックを形成した。

「秘策」によって、ブラジルの攻撃を封じ込めたベルギー だが、これだけなら、単にブラジルの4-3-3に合わせてマッチアップさせるための変更だったともいえる。この布陣変更が対ブラジルの秘策ともいえるほど、かのカナリア軍団を混乱に陥れたのは、3トップの配置に理由があった。

 いつものベルギーなら、FWロメル・ルカクを中央に据え、左にFWエデン・アザール、右にMFケビン・デブルイネがノーマルな配置だろう。だが、この試合では右にルカク、左にアザールが開き、やや下がり目のトップ下にデブルイネが入った。厳密にいえば、4-3-3というより、4-3-1-2に近い。