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開幕戦サウジの大敗にみる、
4年前の日本vsコロンビア戦との類似性 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 ロシア代表のベテランSB、ユーリ・ジルコフが蹴ったCKがきっかけだった。その跳ね返りを、アレクサンドル・ゴロビンが、右足のインフロントで狙いすまして中央に入れると、ユーリ・ガジンスキーが、ヘッドで逆サイドに流し込んだ。

 悲劇に巻き込まれる可能性はこれで大幅に減少。ロシア国民の不安を解消する一発だった。

 ただ、ロシアがプレッシャーから解放されても、サウジにはまだ反発力があった。開始13分の間に掴んだ自信が、これで一気に消滅することはなかった。

 反撃を開始したサウジには見るべきものがあった。局地戦でのパス回しはその代表的なプレーになる。だが、それには奪われるリスクもつきまとう。どこで奪われるか。サウジはそこに頓着なく楽観的に攻め続けた。そして前半43分、交代で入ったデニス・チェリシェフにトドメを刺されてしまう。

 サウジ自慢の左サイドでミスが起き、攻守が入れ替わることでロシアのチャンスに発展した。振り返れば、前半13分の先制点もミス絡みだった。得点が生まれたのはCKからだが、その直前に起きた攻守の切り替わりは、サウジが奪われてはいけない場所(真ん中付近)で奪われたことが、きっかけだった。

 この試合を見て、想起したのはコロンビア対日本だ。2014年ブラジルW杯、クイアバで行なわれたグループリーグの最終戦。日本が1対4で大敗した試合だ。日本はよく攻めたが、悪い奪われ方を繰り返した。そのつどコロンビアにカウンターを浴び、気がつけば4失点を重ねた。

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