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CLパリ対マドリーで大逆転はあるか。
欧州番長の3人が可能性を探る (2ページ目)

  • photo by Getty Images

小澤 どちらかと言えば、ロ・チェルソは国内の格下相手の試合でパスを散らす役割を担っていた選手ですしね。スペイン国内ではどの識者も「マドリー相手にロ・チェルソの起用はない。モッタが間に合わない場合は、守備で計算のできるラッサナ・ディアラかラビオをアンカー起用するだろう」と予想していました。

 確かにロ・チェルソは急成長していますが、まだ経験の浅い若手をこのビッグマッチでスタメン起用したところを見ると、エメリが自身の監督としての手腕を若手の起用で誇示したかったのではないでしょうか。

中山 それはチアゴ・シウバ問題にも表れていますよね。彼は近年のパリを支えてきた絶対的リーダーですし、ネイマール、ダニ・アウヴェス、マルキーニョスら、チームの骨格を形成するブラジル人選手の"親分"なわけです。これまでパリが味わってきたCLでの屈辱も嫌と言うほど味わっているし、今シーズンに賭ける気持ちも人一倍強かったはずです。

 その彼をベンチに座らせることの影響を考えず、ある意味で奇策とも言えるメンバー編成でマドリーに挑んだのは大失敗だったと思います。再び監督としての求心力を低下させると同時に、今後に禍根を残してしまう可能性の高い采配だったと言わざるをえません。

倉敷 控え選手の差を比較すればパリはマドリーより良かったように思えます。しかし、交代枠も残っていたのにエメリはアンヘル・ディ・マリアを最後まで使わなかった。ここは納得できない。先発のみならず選手交代でも後手を踏んだ印象です。

中山 現地メディアもロ・チェルソのスタメン起用とディ・マリアを使わなかったことを批判していて、エメリもそれを受け入れたのか、その翌週末に行なわれたマルセイユとのフランス・ダービー(2月25日)では、ラッサナ・ディアラをアンカーに、ロ・チェルソを右のインサイドハーフに入れ、センターバックはチアゴ・シウバとマルキーニョスをスタメン起用していました。マドリー戦の自分の選択が失敗だったことを認めた格好です。

倉敷 マドリーには得るところの大きな試合になりましたね。ラ・リーガでの不調が嘘のような素晴らしいパフォーマンス、ジダンの采配も久々に嵌(はま)った試合でした。79分にイスコとカゼミーロを下げて、ルーカス・バスケスとマルコ・アセンシオを同時に投入しましたが、小澤さんはこの選手交代についてはどう分析していますか?

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