宇佐美貴史、ブンデス2部でシゴかれ中。ドイツの恩師から「サボるな」

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by Getty Images

 再起をかけ、宇佐美貴史は2016年夏、自身2度目となるドイツ移籍を果たした。しかし、かつて"天才"と称された男は、昨季の公式戦でわずか11試合、たった437分間の出場に終わるなど、失意の1年を過ごすことになった。

 その悪い流れは今季に入っても変わらず、リーグ開幕前のドイツ杯1回戦を含め、ブンデスリーガ第2節まで3試合連続のベンチ外。アウクスブルクでの立ち位置を失った宇佐美は、在籍1年で期限付き移籍を決断した。

 新天地となったフォルトゥナ・デュッセルドルフは、今季第4節で2部リーグ首位に立ち、以降は第6節を除いてその座をキープしている。宇佐美も加入後に迎えた初戦(第5節)のウニオン・ベルリン戦で、74分にさっそく途中出場の機会をもらうと、それから10分後に鮮やかな同点弾。さらに、初先発となった第8節ザンクトパウリ戦では貴重な先制点をもたらし、チーム内での存在感を高めつつある。

第9節の試合でも後半24分から出場し、惜しいシュートを放った宇佐美第9節の試合でも後半24分から出場し、惜しいシュートを放った宇佐美"宇佐美・復活"のキーマンに挙げられるのは、デュッセルドルフのアシスタントコーチを務めていたペーター・ヘアマン(10月6日にバイエルン・ミュンヘンのアシスタントコーチに就任)。ヘアマンは、2013年夏から1年3カ月を内田篤人が在籍していたシャルケで、それ以前は、クラブ史上初の3冠を達成したバイエルン・ミュンヘンでも同職に就いている。3冠を達成したユップ・ハインケス監督のバイエルン復帰に伴い、監督からの熱烈オファーを受けたヘアマンはデュッセルドルフを離れることになったが、19歳でドイツ最大のビッグクラブにやってきた宇佐美をよく知る人物である。

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