柴崎岳、光と影のバルサ戦。衝撃のファインゴールから謎の負傷交代 (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 しかも前半の試合内容は、格下のはずのヘタフェが強者であるバルセロナを相手に主導権を握る展開だった。2011~12シーズン以来、6年ぶりのバルセロナ戦勝利へと、大きく期待がふくらんだ。

 だが、後半になると柴崎もヘタフェも影に包まれてしまう。5分、なにもないところで柴崎はピッチに倒れ込んだ。倒れたシーンでは接触プレーはなかった。そして3分後に日本人はピッチを後にすることになる。スタンドからは背番号10番の交代を惜しむように、大きな拍手と"ガクコール"が送られた。

 左足の甲の部分を気にするしぐさをみせていた柴崎の負傷について、ホセ・ボルダラス監督も、どのレベルのケガなのかを把握することはできずにおり、試合後、「ひとりで突然座り込んだので心配している。大きな違和感を感じているとのことだが、明日の精密検査の結果が出るまでは、ただの驚きで終わるものなのか、自分達が思っている以上に深刻なものなのかはわからない」と、説明するのにとどまった。

 そして試合も、柴崎がピッチを去った後はバルセロナに主導権を握られてしまう。

 17分、アンドレス・イニエスタに代わって後半から出場していたデニス・スアレスに同点弾を決められる。そしてヘタフェが何とか持ちこたえようとしていた39分、リオネル・メッシのパスを受けたパウリーニョにゴールを許してしまい、1対2と逆転負けを喫した。ヘタフェは金星どころか勝ち点を獲得することすらできなかった。

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