試合後は声がガラガラ。情熱家・コンテ監督がチェルシーを戴冠に導く (4ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 たしかに、チーム単体として見ると機能性に優れ、選手個々のプレーでもプレミアでもっとも輝いていた。そう考えると、チェルシーの優勝は極めて妥当と言える。

 また、コンテ監督の「人柄の良さ」も、優勝まで突き進んだ一因だったに違いない。筆者が記憶しているのは、記者会見でのひとコマ。試合中、テクニカルエリアで絶えず大声で指示を出し、試合後はきまって声を枯らして記者会見に応じる47歳のイタリア人は、「週2回も記者会見に応じるなんて無理。2試合の場合はアシスタントコーチに任せる」とジョークを飛ばして記者団を笑わせていた。

 試合中はもちろん、緊張感を極限まで高める。ただ、試合が終わるとリラックスした雰囲気を漂わせていた。モウリーニョ前政権時代の昨季はどこか殺伐としていたチェルシーだったが、愛嬌のあるコンテの人柄が一種の清涼剤となったのではないだろうか。

 優勝決定後、そのコンテは選手たちに胴上げされて宙を舞った。しかし、これで戦いが終わったわけではない。5月27日にはアーセナルとのFAカップ・ファイナル、そして、来季はチャンピオンズリーグが待ち受けている。

 もうしばらく、コンテ率いるチェルシーから目が離せなそうだ。

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