マルセイユで不動のレギュラー。酒井宏樹は「ハリル戦術がよくわかる」 (4ページ目)

  • 小川由紀子●文・写真 text & photo by Ogawa Yukiko


 そんな日々のタフな競り合いの中で試行錯誤しつつ戦ってきた成果は、確実にプレーに表れている。積極的な飛び出しや精度の高いセンタリングなど攻撃面は早くから認められていたが、開幕から2~3ヵ月ほど経った頃から、守備面での安定感もぐっと増し、チームメイトも進んでボールを酒井に預けるようになった。

 マルセイユがリーグ戦4戦に全勝した昨年12月は酒井のパフォーマンスも高く評価され、ディジョン戦とリール戦では、地元紙ラ・プロヴァンスが酒井にチーム最高点の「7」をつけた。

 ここ最近では第24節のギャンガン戦など、フランスメディアが選ぶ週間ベスト・イレブンにも選出されている。ちなみにそのギャンガン戦では、先述した第2節で競り負けた相手ウィンガー、マーカス・ココを見事に封じ込めた。

 いまや酒井宏樹は、フランスのサッカーファンならマルセイユサポーターならずとも名前を知っている存在であり、地元マルセイユのメディアだけでなく、全国紙レキップ紙やパリジャン紙からもインタビューの依頼が舞い込むリーグ・アンの主要選手のひとりだ。

 3月1日に行なわれたフランス杯のモナコ戦は、延長戦の末3−4で惜敗したが、酒井はゴールライン付近からのパスでレミ・カベラの2点目をアシスト。腿に痛みを感じて97分に退いたときには、スタンドから温かい拍手が送られた。

4 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る