高度な英語力と経験値。吉田麻也のキャプテンシーは長谷部に劣らない

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 日本代表にとって昨年のラストゲームは、11月15日のW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦だった。当時サウサンプトンで「準レギュラー扱い」だった吉田麻也は、この4ヵ月の間に「センターバック(CB)のレギュラー」へと昇格した。

今やサウサンプトンで欠かせない存在となった吉田麻也今やサウサンプトンで欠かせない存在となった吉田麻也 プレミアリーグでは9試合連続で先発フル出場し、FAカップとリーグカップを加えた全公式戦でも、1月からの14試合中13試合で先発フル出場を果たした。欠場した1試合についても、クラブの優先順位が落ちるFAカップ4回戦(アーセナル戦)で、言わば「温存」された格好だ。

 また、快進撃を続けたリーグカップではリバプールとの準決勝、マンチェスター・ユナイテッドとの決勝というビッグマッチを経験した。マンチェスター・Uとのファイナルでは、元スウェーデン代表FWのズラタン・イブラヒモビッチや、フランス代表FWのアントニー・マルシャルと対峙。マンチェスター・Uに惜敗してタイトルには手が届かなかったが、リーグ戦とは異なる「やるか、やられるか」の一発勝負を戦い抜いた。

 こうしたしびれるほどの緊張感が漂うビッグマッチと、ワールドクラスのストライカーとのマッチアップ。イングランドで試合と経験を重ねたこの4ヵ月間は、吉田にとって大きな転機であり、充実度の高い飛躍の期間でもあったのだ。今や、サウサンプトンにとって吉田は欠かせない存在になった。

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