リバプールのプレミア最多得点を演出する「ニセ9番」のフィルミーノ (4ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 それゆえクロップ監督は、高い決定力を誇りながら運動量の少ないFWダニエル・スタリッジと、スピード溢れる突破力を持ちながらパスセンスで劣るFWディボック・オリジといった「CFを本職とするFW」をベンチに置き、フィルミーノのCF起用――つまり「偽9番起用」にこだわっているのだ。

 第27節までにリバプールが記録した得点数58は、プレミアリーグでもっとも多い。しかし、CFのフィルミーノの得点数は9で、全体の約15%程度にすぎない。その一方で、マネが12得点、ララーナが7得点、コウチーニョが6得点、ワイナルドゥムが4得点と、FWとMFのアタッカー陣がまんべんなくゴールを挙げている。

 この背景には、偽9番として味方のフリーランを引き出すフィルミーノが大きな役割を果たしている。絶えず走り回って好機につなげることで、流動的なサッカー、そして分厚い攻撃へと導いているのだ。

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