長友佑都を高く買うインテル新監督。なのに、なぜ移籍話は消えないのか (3ページ目)

  • マッテオ・ブレーガ●文 text by Matteo Brega 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 10月末にジェノバでサンプドリアに敗れてから、インテルの監督交代は急を要する事態だった。デ・ブールは今夏の就任以来、半分以上の試合で負けていたし、彼のサッカー哲学も一向にプレーに反映されなかった。そこでインテルは監督を代えることを決意した。後任にはイタリアサッカーの現実をよく知った監督が必要だった。

 シーズン途中の今は、革新よりも保守のほうが大事だ。おそらくデ・ブールも、じっくり1シーズンをかけたなら、きっといい結果を出せるようになっていたに違いない。しかしイタリアサッカーにはそんなに時間はない。特にインテルには――。

 インテルはただちにチームを"普通"の状態に戻す必要があった。チーム幹部はピオリに、選手たちをできるだけ自分本来のポジションで使うように指示している。一日も早くバランスあるチームを作り、リーグでの順位を上げるのがピオリに課せられた任務である。

 インテルが目標と掲げるのはリーグで3位までに入ること。つまりチャンピオンズリーグ(CL)出場圏内入りだ。もし来シーズン、CLを取り戻すことができれば、少なくとも5000万ユーロ(約60億円)、資金が豊富になるし、チームのイメージも取り戻せる。なにより全てのインテル関係者の士気が上がるだろう。

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