ケルン大迫勇也が語る「なぜドイツでFWの地位を確立できたのか」 (4ページ目)

  • 寺野典子●文 text by terano noriko
  • photo by Getty Images

「監督からは常にポジティブな言葉をかけてもらっている。『攻撃に関しては好きなようにやってくれ』といつも言ってくれている」

 ケルンを率いるペーター・シュテーガー監督との良好な関係性を笑顔で語る大迫。バイエルン戦後、ベンチからチームメイトの輪へ向かう道程を指揮官と談笑しながら歩く姿からもそれが伝わってきた。

 しかし......なぜ?

 そういう疑問が浮かぶのは、昨季の大迫の起用方法を見ていたからだ。試合には出場していたものの、そのポジションの多くが1トップアウトサイド。そこで守備に奔走し、たとえボールを奪っても、大迫の武器が活かせるよう場面は少なく、ほとんど仕事らしい仕事ができなかった。

 出場はしているのだから、冷や飯を食わされるというような冷遇だったわけではない。しかし、ケルンの指揮官は日本人ストライカーに対して、どのような評価をしているのか? そして、こんな状況を大迫自身はどう思っているのか? 当時はそう感じていただけに、いかにして16~17シーズンの好環境が生み出されたのか疑問が募った。

 10月4日。代表ウィークに突入したこともあり、バイエルン戦後には連休を与えられたケルンの選手たちは、ケルン市内の森の中にある静かな練習場でリフレッシュした様子でトレーニングを行なっていた。午前午後の2部練習は、1時間程度と短いが、ボールを使ったコンディション調整としては熱がこもっていた。

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