長友佑都「インテル退団説」のウラにある指揮官の好みとSB事情 (2ページ目)

  • マッテオ・ブレーガ●文 text by Matteo Brega 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 自分がSBに求める資質を、長友は持っていない――デ・ブールはどうやらそう考えているようだ。監督はシーズンの初めから好んでダヴィデ・サントンとセナ・ミアンゲを使っている。どちらもインテルユース育ちの90年代生まれの選手だ。彼らにはもうひとつ共通点がある。それは強靭なフィジカルだ。ともに長身(サントンは187cm、ミアンゲは197cm)で、歩幅が広く、マンマークもできる。

 それに比べると長友は明らかにタイプが違う。彼の持ち味は、俊敏さとスピード、サイドを何度も行き来するスタミナにある。しかし現在、デ・ブールがSBに求めるのは、強固に脇を固めることであって、スピードではない。ローマ戦でも、モハメッド・サラーと対峙するのは同じタイプの長友が適していたのだが、それでもデ・ブールが選んだのはサントンだった。試合後にはこの采配に疑問を持つ声がかなり上がったが......。

 しかしこれらはテクニカル面での話だ。人間的には長友とデ・ブールの関係は非常に良好と言えるだろう。チームワークを尊び、練習には決して手を抜かない長友の性格を、デ・ブールは高く評価している。また怪我が完治した後、ピッチに戻りたいという強い気持ちを持っていることも、デ・ブールは理解しているし、好意的に見ている。

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