「さようならバスティ」ドイツの大黒柱が代表引退で次期主将は誰か? (3ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki photo by Getty Images

 中盤がひし形の3-4-3という攻撃的布陣のドイツ代表に対し、フィンランド代表は5-3-2という守備重視のフォーメーションを採用している。さらに後者は、自陣ペナルティーエリア付近にボールが入らなければほとんどプレスを掛けてこないため、序盤からドイツ代表が圧倒的にボールを支配した。

 しかし若い選手が多数を占め、互いの意思疎通がまだ不十分であるだけでなく、シュヴァインシュタイガーがボールを持つたびに、スタンドの観客からは盛大な拍手が沸き起こるという、どこか真剣味に欠ける空気が漂っていた影響もあったのかもしれない。前半は、アタッキングサードに攻め入ることはあっても、なかなか効果的な攻撃はできなかった。唯一にして最大の見せ場は32分、マイヤーのスルーパスを受けたマリオ・ゲッツェがドリブルでGKをかわしシュートを放つも、カバーへ入ったDFにブロックされたシーンだった。

 それでも後半開始から10分後の55分、ゲッツェが右サイドから入れたセンタリングをニアサイドのケヴィン・フォラントがスルーし、後方から飛び込んできたマイヤーが決め、先制点を奪う。さらに、77分には途中出場したメスト・エジルのセンタリングが、DFの足に当たってそのままゴールイン。結果、フィンランド代表にほとんど決定機を作らせず、2-0の完勝を飾っている。

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