清武弘嗣も「悩みながら」プレー。セビージャは敵地で15カ月勝てず (3ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSIFOTOGRAFIA

 エスパニョール戦後も、清武は失点シーンについて反省の言葉を口にしていたが、それは完璧を求めての反省であり、ワンステップ上を見据えたものだった。だが、今回の弁は本当に物事を改善しなければいけない場面のものだ。

 カップ戦3試合とリーガ2試合で、サンパオリがどのようなサッカーを目指しているかはおぼろげながら見えてきている。だが、アルゼンチン人監督は同じ戦術、システムを採用しておらず、毎試合、微妙な変化をつけてきている。その意図を汲み取ることは簡単なことではない。だからこそセビージャの選手たちは体だけでなく頭の疲労回復にしっかりと努め、毎回心身ともにリフレッシュされた状態でいることが必要になってくる。

 サンパオリの師、マルセロ・ビエルサには"変人"のあだ名があるが、よりよいサッカーをするためいつでも少しずつチームに変化をつけているサンパオリには"発明家"というあだ名が似合うかもしれない。開幕戦のようにそれがうまくいくときもあれば、今回のようにうまくいかないときもある。

「失敗は成功の母」という言葉もあり、それはある意味で仕方のないことかもしれない。ともかく実験を成功へと導くには優秀な選手の力が何よりも重要になる。清武をはじめとしたセビージャのメンバーの試行錯誤は当分続きそうだ。

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