優勢なのに負けたドイツ。サッカーはうまいがゲルマン魂が足りない (5ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 2014年W杯覇者であるドイツも連覇を狙っていた。2014年W杯に続きユーロ2016のタイトルを取れば、ビッグ大会2連覇達成だった。ところが、こちらも逃してしまった。ドイツはスペインのようには時代を築くことができなかった。

 勝っていた頃のスペインにはブレがなかった。スペインにしかできないサッカーを作り上げ、やり続けた。

 ドイツはそうではなかった。悔やまれるのはやはり準々決勝のイタリア戦だ。なぜ、相手に合わせて守備的サッカーをしてしまったのか。なぜ1試合だけ、大幅に戦い方を変えて臨んだのか。結果はPK勝ち。運に助けられたわけだが、その反動が準決勝の戦いに現れたのだと思う。

  圧倒的に押しているのにパンチは弱め。迫力不足。勢いを失った原因は、前戦イタリア戦の戦い方に起因すると僕は見る。そこで守備的なサッカーをしてしまっ た天罰が、準決勝で下ってしまった。前半ロスタイムのPKはあまりに不運。あえてその背景を探るなら、そう考えるのが一番自然だと思う。

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