【EL】名門リバプールは11年ぶりの国際タイトル獲得なるか? (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi  photo by AFLO

 そしてもうひとり、クロップ就任によって進化を遂げたのが、MFアダム・ララーナ(イングランド)だろう。得意のドリブルと、巧みなパス&ムーブで相手DF陣を錯乱させるそのスタイルは、予想以上にクロップのサッカーにフィット。選手として一段レベルアップした印象を受ける。左サイドMFのフェリペ・コウチーニョ(ブラジル)は以前から攻撃の要として君臨しているが、右のララーナはトップ下のフィルミーノとともに、「クロップ・サッカーの象徴」として注目に値する。セビージャDF陣にとっては、実にやっかいな2列目トリオである。

 さらにEL優勝を狙うクロップにとって心強いのは、これまで故障続きだったダニエル・スタリッジ(イングランド代表)がシーズン終盤にきてトップフォームを取り戻し、1トップで躍動している点だ。とりわけ4月以降は、公式戦で5ゴール・2アシストの大活躍。ビジャレアルを粉砕したEL準決勝・第2戦でもゴールを挙げるなど、大一番を前にしてそれまでの故障離脱を帳消しにするほどの好調ぶりを維持している。

 キャプテンのMFジョーダン・ヘンダーソン(イングランド)の故障や、CBママドゥ・サコー(フランス)のドーピングによる出場停止処分という誤算もあるが、今のリバプールにはそれが大きな問題にならないほどの充実ぶりと勢いがある。2000-2001シーズン以来のEL制覇と、来季のCL出場権獲得に向けた準備は整ったと見ていいだろう。

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