ミラン残留が濃厚な本田圭佑。その闘志が無気力化したチームを救う

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari   利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

オフィシャル誌編集長のミラン便り2015~2016(34)

最終節ローマ戦にフル出場した本田圭佑。ミランは1-3で敗れた(BUZZI/FOOTBALL PRESS)最終節ローマ戦にフル出場した本田圭佑。ミランは1-3で敗れた(BUZZI/FOOTBALL PRESS) 2015~2016のセリエAが閉幕した。ミランは来シーズン、ヨーロッパで戦う権利を勝ち取ることができなかった。

 今週の土曜、5月21日に、ミランはローマの地で、今シーズンを救う最後のチャンスとなるコッパ・イタリア決勝を戦う。この試合に勝利すれば、ヨーロッパリーグ出場権を手に入れることができる。ただしミランがこの最後の舞台で倒さなければいけない相手はユベントス。リーグ5連覇を決めたばかりのチームである。首位ユベントスより34ポイント下の7位で終わったミランにとっては、不可能に近い相手だが、幸いにもカップ戦は一発勝負。何が起こってもおかしくはない。

 選手、スタッフ、サポーターを含むミラン関係者全ての願いは勝利のはずだが、最終節のローマ戦の様子を見る限り、今後の展開を楽観的にとらえるのは難しそうだ。ローマは3位でリーグ戦を終え、チャンピオンズリーグの予選出場権を手に入れた。現在、最も好調なチームのひとつだ。ミランとの差は歴然としており、試合前からローマの勝利を疑う者はそういなかったろうが、ミラニスタの中にはそれでもまだ「もしかしたら」というサプライズを期待する気持ちもあった。

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