2016.01.07

レアルの諸問題をすべてチャラに。英雄ジダンを監督に据えた狙い

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 レアル・マドリードの新監督に、同クラブのOBであり、サッカー界のレジェンドであるジネディーヌ・ジダンが就任し、5日、初練習と入団会見が行なわれた。

レアル・マドリードの監督就任会見に臨んだジダン 公開練習には満員となる5000人のサポーターが駆けつけ、入団会見には100人を超えるメディアがジダンの所信表明を伝えるために集まった。

 シーズン折り返しを迎える時期に起きた監督交代。本来なら深刻さが漂うはずだが、現役時代に世界のサッカーファンを魅了したフランス人の監督就任はどこか明るいものであり、チームが抱えている数々の問題がこれですべて解決すると言わんばかりの雰囲気があった。

 監督交代。それはメディアが中心となり、サポーターとともに作り上げたラファ・ベニテス追放のXデーが、その日を迎えたことに他ならない。首位との勝ち点差を縮めるチャンスであったバレンシア戦を引き分けた翌日、1カ月前には「問題の解決策はラファ・ベニテスにある」と、同監督を擁護していたフロレンティーノ・ペレス会長その人が、30秒にも満たないコメントで監督解任をあっさりと告げ、ジダンの監督就任を発表した。

 公式な解任理由はない。そのことについて質問する雰囲気もない。"四角な座敷を丸く掃く"のことわざのように、ラファ・ベニテスが抱えてしまったチームの問題には誰も触れないままだ。ジダンが就任したことで、チーム、メディア、サポーターの誰もが満足しているという妙な雰囲気だけが今のレアル・マドリードを包んでいる。なぜ、フロレンティーノ・ペレス会長の任期13年で11 人の監督がベンチに座っているのか。その問題からは目をそらすかのように......。