ELで辛勝ドルトムント。不在の前半でわかった香川真司の重要性 (2ページ目)
欧州ナンバーワンを決めるチャンピオンズリーグ(CL)ではなく、ELは言ってみれば欧州全体の2部リーグに参加しているようなもの。中堅クラブが高いモチベーションで臨むのとは違い、3年前にCL決勝に進んでいるドルトムントのようなクラブにとっては、戦うのが難しいかもしれない。もちろんそれは今とほとんど変わらないメンバーによる昨季の体たらくが招いた結果ではあるのだが。
この試合、ドルトムントはメンバーを少々入れ替えていた。GKには今季リーグ戦でベンチに座るワイデンフェラーを起用。パク・チュホ、ヤヌザイ、カストロという3人の新加入MFを先発させた。パスワークと細かな連携を前提とする今年のチームにあって、4人もメンバーが変わると少々リズムが狂うもの。同じ4-3-3で、前線にドリブルがうまくフィジカルの強いFWを置く相手に苦戦した。
前半12分、右SBのギンターが1対1であっさりとかわされると、ゴールライン際からのクロスをニアで簡単に合わされ先制を許す。これに対してドルトムントは前半終了間際、シュメルツァーがパクにつなぎ、パクのクロスに飛び込んだギンターが頭で決め、追いついた。
後半開始から香川が登場した。前半のドタバタ感の中で、香川の重要性があらためて感じられたように思う。最近は主に4-3-3のインサイドハーフ的な位置でプレーし、中盤からやや左サイドで長い時間ボールをキープすることがある。くるくると旋回しながらボールを手放さず、ともすると持ち過ぎの印象すらあるのだが、それにより周囲に落ち着きと時間を与えていることが、不在のピッチから逆に分かるのだ。
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