ハメス獲得のレアル。豪華すぎる中盤の放出候補は? (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi
  • photo by Getty Images

 だが、残念ながらディ・マリアはレアル・マドリードの中ではチームの"顔"となれる選手ではない。売り時の今、クラブは代わりになる選手が獲得できたことから放出もやむなしという考えになっている。サポーターも、もしPSGが噂通りに8000万ユーロというオファーを提示するなら、放出に賛成するだろう。

 現在、ディ・マリアとともにチーム退団の噂が尽きない選手の一人がイスコだ。昨季、鳴り物入りでレアル・マドリード入りを果たしたスペイン人MFだが、システムの問題などから自他ともに満足できるようなパフォーマンスを見せることができなかった。ハメスの加入は彼から出場機会を奪うものであり、押し出されるトコロテンのようにチームを去る可能性があることは否定できない。

 実際、イスコには、マラガ時代の恩師であるペジェグリーニが監督を務めるマンチェスター・シティや本田圭佑が所属するACミランが興味を示していると言われている。

 だが、イスコにとって今回の逆境はプラスに働く可能性もある。ハメスやクロースの適性から考えると、中盤の形は昨シーズンの逆三角形の形から、三角形の形になる可能性が高い。新しいリーグはどの選手にとっても適応が難しいものであり、ハメスとイスコの併用は十分に考えられる。そこで結果を残せば、イスコが定位置を獲得することもないとはいえないし、長いシーズンの中で必ずチャンスは与えられるはずだ。

 移籍市場が閉まるときにどのようなメンバーが残っているかは、現段階ではわからない。オーバーブッキングのように感じられるレアル・マドリードの中盤のメンバー構成だが、最終的にはもう少しスッキリとした形になっているに違いない。

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