2014.07.12

決勝進出の立役者、マスチェラーノが学んできたこと

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA

小宮良之のブラジル蹴球紀行(17)

 7月9日、霧雨に煙るアルゼンチン対オランダ戦。キャプテンマークを巻いたハビエル・マスチェラーノのプレイは、神々しいまでに完璧だった。

 中盤の底、アンカーのポジションに入ったマスチェラーノは、ビルドアップのときには積極的にバックラインに入ってサポートし、巧みに周りを動かした。そして守備のときは集中を切らさず、球際で負けない。長身選手と競り合い、頭部を強く打って脳しんとうで倒れながらもプレイを続行。そしてハイライトは後半終了間際だった。ロッベンの決定的シュートをクリーンなタックルでブロック。危ない場面には、予期したように顔を出していた。

オランダ戦で攻守にわたり活躍したマスチェラーノ(アルゼンチン) マスチェラーノは決して大柄な選手ではない。身長は174cm。また、シャビ・アロンソやシャビ・エルナンデスのような技術も持っていない。しかし、プレイの流れを見極める能力に秀で、インテンシティの高い攻守を見せられる。

「昔はもっとがむしゃらに走っていたけど、バルサに入団した頃から変わったよ。どこにポジションを取るか、が大切だってね。動くだけでなく、止まることを覚えた。バルサはポゼッションが基本にあるから、常にボールホルダーとの関係を保ち、自分たちがボールを回すことで試合の主導権を握れる。すべては勉強だね」