2014.06.25

攻撃サッカーを放棄?オランダは変わってしまったのか

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi photo by AFLO

「我々は最高の試合を見せることができた」

 そう語ったのは、チリに2-0で勝利し、グループBを首位で通過することに成功したオランダのルイス・ファン・ハール監督だ。

 グループ初戦のスペイン戦では、5バックのカウンター戦法により前回王者を粉砕。周囲をあっと驚かせたオランダの名将は、なんとこの試合でも同じ戦術を採用した。スペイン相手ならまだしも、まさかチリを相手に同様の戦い方を選択するとは思わなかった。

見事なカウンターで2点目を奪ったメンフィス・デパイ(左)とアリエン・ロッベン(右) 第2戦のオーストラリア戦では通常の4-3-3を採用して打ち合いを制していただけに、この選択は、ファン・ハールがチリを格上と分析したうえでの判断だったと思われる。

 事実、試合後にファン・ハールはこうも語っている。

「もし今日、我々が4-3-3で戦っていたら、おそらくロッベンは相手を追いかけるためだけに走っていたはずだ。勝つためには、自分たちの力量に従ってプレイする必要がある。そして私がこのシステムを採用したのも、勝利のためだ」

 攻撃的なスタイルを伝統とするオランダサッカーと、その伝統をより洗練させたサッカーで1990年代にアヤックスを率いて一世を風靡した名将ファン・ハール。当時をよく知る日本のサッカーファンが抱いているその手のイメージは、どうやら今大会には当てはまらないようだ。