新ユニフォーム姿を披露。本田圭佑の来季はすでに始まっている (2ページ目)
しかしミラノダービーの中の"日本人ダービー"のチャンスがこれで無くなってしまったわけではない。ここはポジティブに来シーズンのお楽しみと考えよう。実は本田にとってすでに新シーズンは始まっている。本田は、エル・シャーラウィ、デ・ヨングと共に、9月から始まる2014~2015シーズンの新ユニホームのモデルに選ばれたのだ。
今回のミランのユニホームはレトロ調。丸襟にボタンがついていて、イタリアサッカーの黎明期、20世紀初頭の香りがする。反対にロッソネロ(赤黒)のストライプは斬新だ。縞の太さと濃淡がまちまちでまるでグラデーションのようになっている。
もう一つ新しいのが胸につけるエンブレムだ。セリエA優勝10回を示す星マークの下には、白地に赤い十字のミラノ市の紋章だけがシンプルに入っている。これは来年開催されるミラノEXPOへのオマージュだ。ミラノEXPOは2015年の5月1日から10月31日まで開催され、伝統と創造、そして食にテーマが置かれている。UEFAもこのEXPOを記念して、2015~2016のチャンピオンズリーグの決勝はサン・シーロで行なわれることがすでに決定している。
チャンピオンズリーグの決勝をホームでプレイできるなら、それ以上の喜びはない。それには来シーズン、リーグ戦で上位3位までに入らなければいけないのだが、それとは別にもうひとつ可能性が増えそうだ。UEFAは2015~2016シーズンから、前季のヨーロッパリーグ優勝チームにもチャンピオンズリーグのプレイオフへの参加権を与えることを検討しているのだ。つまりそのためには今シーズン、ヨーロッパリーグ出場権を手にすることがまず第一歩となるのである。
もちろんミラノでのチャンピオンズリーグ決勝までにはものすごく長くて厳しい道のりが待っているが、魅力ある挑戦だ。一足早く新シーズンのユニホームに袖を通した本田も決意を新たにしたことだろう(新シーズンのユニホームは今季最後の2試合で着用される予定である)。
来シーズンのセリエAの開幕は8月31日が予定されている。それまでには本田も初のサマーキャンプを経験し(W杯の結果次第では合流が遅れるかもしれないが)、イタリア語もより上達し、今以上にチームに、イタリアサッカーに馴染んでいるはずである。シーズン頭からプレイできる来シーズンこそ本田の正念場であり、真価の見せ所である。
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