お粗末マンU。6戦ぶり出場の香川真司、切実な思いを語る (3ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 その後もマンUはロングボールを蹴らざるを得ない時間帯が続く。香川投入と同時にボランチに下がったルーニーでさえ、両サイドに長いボールを蹴るだけで、ボールは香川の頭上を超えていった。CLにはマタが出場できないこともあり、出場が濃厚だったこの一戦に懸けていた香川にとって、不本意な試合となった。

「今日はチャンスがたぶんあるんじゃないかと思っていた。そこで結果を残せないのは悔しいけど、ただ、毎日毎日やるしかないし、急激に(置かれた状況が)変わることはないので、地道にやっていきたいなと思っています」

 そして厳しい表情ながら、香川は必死に前を向こうとしていた。

「どんな状況であれ、そこで自分がやっていくしかない。だからネガティブに考えることはしてない。(リーグ戦での出場機会が少ないが)逆にCLのほうがよりスペースがあって、自分の良さが生きるというのもあるし、まだセカンドレグもある。セカンドレグで勝つために良いイメージが湧いたというか、絶対に逆転できるチャンスはあるし、ホームなので、そこに向けて頑張りたいです」

 不調にあえぐチームを香川ひとりの力で救うことは難しいかもしれない。置かれている立場がそう簡単に良くならないことも重々承知している。だが、少ないチャンスをせめて形にしたい。香川の言葉には切実な思いがこもっていた。

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