「我を通し」本職ボランチに戻った長谷部誠。日本代表での手応えは?

  • 了戒美子●文 photo by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 日本代表の欧州遠征が始まり、8人のドイツ組も無事に合流している。内田篤人(シャルケ)、酒井高徳(シュツットガルト)、酒井宏樹(ハノーファー)、細貝萌(ヘルタ・ベルリン)、長谷部誠、清武弘嗣(ニュルンベルク)、岡崎慎司(マインツ)、乾貴士(フランクフルト)。現時点で8人全員が所属チームで先発の座を掴んでおり、期待も自然と高まる。

 彼らの所属するチームがリーグ戦で中位から上位をうかがう中で、現在、唯一降格圏にいるのがニュルンベルクである。チームは8戦して未だ勝ちなし。さる8日にはついにヴィジーンガー監督を解任。新監督が決定するまではU-23監督であるロジャープリンツェン氏が指揮をとるという、追い込まれた状態にある。

前節ハンブルガー戦では0-5と大敗したニュルンベルクの長谷部誠前節ハンブルガー戦では0-5と大敗したニュルンベルクの長谷部誠 日本代表の主将である長谷部はそんなニュルンベルクに移籍期限終了間際に加入した。ブンデス7季目にして初めてとなるこの移籍に長谷部が求めたものは、何よりもボランチでのプレイだった。

 ボルフスブルクでは主に右SBで、チーム事情によってはボランチや攻撃的MFでと、言ってみれば都合良く使われてきた。少々さかのぼるが、マガト監督時代の2011年9月にアウェーで行なわれたホッフェンハイム戦が印象的だった。交代枠を使い果たした81分にGKが退場すると、マガトは長谷部を代役に指名した。ベンチで「ハセ、ハセ」と叫ぶマガトの姿と、引き受ける長谷部の姿は強く目に焼き付いている。

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