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アンチェロッティ監督就任でレアル・マドリードはどうなる? (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi
  • photo by Getty Images

 もうひとつ、アンチェロッティが取り組まなければいけないのはメディアとの友好な関係を築くことだ。「就任前までは最高の監督と奉(たてまつ)るが、就任後、結果が出なければメディアはすぐに手のひらを返す」とDFアルベロアが話すように、スペインメディアは辛辣(しんらつ)だ。選手の記者会見を復活させ、話題をメディアに提供することなども必要になってくるだろう。

 では、肝心のチーム作りはどのようになるのか。就任会見では、「クラブのアイデンティティ、伝統からいっても、攻撃的かつスペクタクルなサッカーを見せ勝利をしなければいけない」と、アンチェロッティは語っている。そのベースとなる選手は、サプライズがない限り、引き続きクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、ベンゼマ、エジルと、世界トップクラスの選手たちになるだろう。さらに冒頭に記したような次代を担う選手達が定位置確保を目指すことで生まれる活発なチーム内競争が、チーム力のベースを上げてくれることは間違いない。

 さらにスペインメディアは、PSGのスウェーデン代表イブラヒモビッチがアンチェロッティのもとでのプレイを望んでいるといった話や、前線の選手が飽和状態となっているマンチェスター・シティのアルゼンチン代表FWアグエロの移籍の可能性を伝えている。

 守備に選手層の薄さが若干気になるものの、両選手のうちのどちらかの獲得が決まった場合、アンチェロッティが掲げる攻撃サッカーの魅力が大きくふくらむだけでなく、十分な結果も手にすることができるチームとなるだろう。

 銀河系軍団とは違う、若さと熱意に溢れたチームを率いるアンチェロッティ。年齢のバランスも良いタレント溢れるチームではあるが、彼のコンセプトを浸透させるには時間が必要なことも間違いない。そのためにも、約1ヵ月のプレシーズンをいかに過ごし、チームを構築することができるか、それが新生レアル・マドリードの成否を占うものになりそうだ。

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