2012.12.24

【イタリア】あの元イタリア代表FWのサッカースクールがスゴイ

  • 宮崎隆司●取材・文 text by Miyazaki Takashi

 少しばかり前の話だが、今夏にフィレンツェでサッカースクールが行なわれた。そこで6~11歳の子どもたちを指導していたのが、元イタリア代表FWでセリエA通算138ゴールを記録したエンリコ・キエーザだった。キエーザはフィオレンティーナやパルマなどで活躍した名ストライカーで、現在はサンプドリアU-15の監督を務めている。

 彼の「点はこうやって獲るんだぜ教室」がスゴいと評判だ。

 まずはFWとしての動き方について指導。ゴールと自分の位置を確認、と同時に、その瞬間に次のプレイへの流れをイメージ。パスを受けてボールを止め、必要とあれば一発フェイントを入れ、そしてシュート。そんな基本中の基本というべきプレイだが、41歳になるキエーザ自身が実演するそのお手本が鳥肌モノだった。

 キエーザはアシスタント役のコーチ(こちらも元セリエA選手)が入れる猛烈に速いパスをピタリと足もとで止めると、瞬(またた)く間に、だがメチャメチャ涼しい顔で右足を一閃。シュートはうなりをあげてポストとクロスバーの角を正確にとらえてゴールネットを揺らした。

 かつて代表にまで登りつめたFWにとってそれくらい当たり前かもしれないが、日本でいえばまだ小学生の子どもたちが、そんな鬼パスをトラップして、そんなえぐい高速シュートを撃てるわけがないだろう……と見ているこちらが思う容赦のない高レベルのお手本。その超一流の技を目の当たりにした子どもたちは、文字どおり”口をあんぐり”。

 それでも、3週間のそのスクールを経て、参加した子どもたち全員が飛躍的に”得点力”を向上させていった。こうして今日も、イタリアでは未来のストライカーたちが育っているのである。

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