【イタリア】プランデッリ代表監督「日本の強さは組織能力にある」 (2ページ目)

  • エンリコ・クロー●文 text by Enrico Currò 内海浩子●訳 translation by Hiroko Uchiumi
  • photo by Getty Images

――組み分け抽選の感想は?

「冗談まじりに"死の組"と呼んでしまったんだけど、現実的に我々の組の方がキツいよね。ホスト国としてW杯を準備中のブラジルには失敗が許されない大会だし、スコラーリにとっては初めて迎える真のテストとなる。次々に才能豊かな若者を輩出し、近年のユースサッカー界で世界最強を誇っているメキシコも手ごわい相手だ。そして日本。目覚ましい進歩を続け、もはや世界の中でもコンペティティブなチームのひとつになっている。でも私はだからこそ、この抽選結果に満足しているんだよ。なぜって、強いチームと対戦して己の力を測ることで、チームの成長が助長されるものだからね」

――コンフェデレーションズカップをどう位置付けていますか?

「W杯への道のりをより良いものとするために有効活用すべき絶好機と位置づけている。このチャンスが与えられているのは、我々や日本を含めごく僅かな国だけなのだから、なおさら無駄にはできない。W杯までわずか1年という時に、環境や気候といったW杯へ向けて洗い出すべき課題を実体験によって得られるわけだし、国際舞台経験の少ない選手や若手たちの世界の中での実力と立ち位置を測るチャンスでもある。U-21の子たちを何人か連れていくべきか、マンジャ(U-21代表監督)と相談しなければならない。同じ時期、U-21欧州選手権が入っているからね。世界の優れた技術・戦術を擁するチームを相手にすることで、アズーリのどの選手がW杯への準備ができていて、どの選手がまだ一歩足りないかの判断材料も得ることになるだろう」

――あなたのアズーリがどんなチームなのか、日本の読者に説明していただけますか?

「喜んで! 見る側もプレイする側も楽しいチームになっている。ピッチで力を出し惜しみせず、試合でも練習でも、そして自由時間ですらチーム行動している。私が求めるのは、謙虚な気持ちを常に持つ代表だ。ここでは、ピルロやバロテッリのような秀でた才能を持つ選手であってもチームのためにプレイし、戦術的に与えられた課題をきちんとこなすことになる。11人でプレイし、11人で勝つ。今年のEUROでそうだったようにね」

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