2012.09.10

【イングランド】テベス、バロテッリとのトラブルからシティが得た教訓

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki
  • photo by GettyImages

プレミア優勝を果たし、トロフィーを掲げるアグエロ【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】マンチェスター・シティの冒険(2)

 セルヒオ・アグエロの成功は、選手を早くクラブになじませようとするクラブの「プレイヤー・ケア」のおかげだと、マンチェスター・シティの「パフォーマンス分析部長」のガビン・フレイグは言う。32歳の彼は、2008年夏にニューカッスルから移ってきた。アブダビの投資グループがシティを買収する直前だった。

「フットボール界では、外国人選手が新しいクラブに慣れるのに約1年は必要だと思われている」と、フレイグは言う。「たいていの場合、最初の3ヵ月はホテル住まいだ。でもセルヒオ(アグエロ)のときは、2週間以内に家を決めて住んでもらうという話で合意した。彼の使う車にはスペイン語のナビをつけたし、近くに住んでいるスペイン出身の人たちにも紹介した。新しく獲得した大切な財産だから、最初からしっかり働いてもらえるようにしたんだ」

 それでも昨シーズンのシティは、ふたりの選手のトラブルが大きなニュースになった。同じくアルゼンチン人のカルロス・テベスは先発をはずされたバイエルン戦で途中出場を拒否したため、その後何ヵ月も起用されなかった。イタリア人のマリオ・バロテッリは「悪童」と評される気紛れな行動が続いていたが、4月のアーセナル戦でついにキレて退場処分となった。

 ふたりともチームには戻ったが、シティの選手管理にプラスのイメージを与える出来事とは言えなかった。「ああいう問題は、うちのクラブだから起きたわけじゃない」と、戦術パフォーマンス部長のウィルソンは言う。「ふたりの経歴をたどれば、どのクラブでも同じような感じだったことがわかる。確かに大変な騒ぎだったよ。まったくひどいものさ。本当に叫び出しそうになったからね。『俺たちはこいつに頭に来てるんだよ! クラブが払っている金にまったく見合わないじゃないか!』って。でも最後には、なんとかチームに戻すことができた」