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【Jリーグ】柏レイソルのリカルド・ロドリゲス監督が抱く野望「クラブの歴史を塗り替えるぐらいのタイトルがほしい」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun

――このあと、神戸と町田とはまだ対戦が残っています。タイトルを手にするためには、重要な試合になるのではないでしょうか。

「J1で優勝するためには、その2チームとの戦いだけではなく、すべての試合で勝つことが求められます。また、攻守にわたって完成度が高いチームになることも必要です。それができないと、タイトルを獲得するのは難しいでしょう。

 そのためには、たとえばトランジションをより速く行なっていくこと。セットプレーでは点が取れていないので、点が取れるようにデザインし、精度を高めていくことなども必要です。いずれにしても、一段とチームの完成度を高めていかなければいけません。

 チームには、まだまだやるべきことがたくさんあります。でも、今の柏はそれができるチームだと思っています」

――リカルド監督が就任して1年も経たずして、ここまで戦術が浸透し、強い柏になりつつあるのは、どういったところにポイントがあると思いますか。

「選手が真面目で、エゴイスティックな選手がいないからでしょう。選手全員がチームのためにプレーし、チームに『貢献したい』という気持ちを持って戦い続けています。これは、柏の大きな武器のひとつだと思います。

 そういう選手が集まって、戦っている――今のチームの雰囲気は、私が徳島ヴォルティスでJ2優勝を果たした時のチームとよく似ています」

 ところで、リカルド監督は2017年に来日し、以降継続して日本のサッカーを見てきているが、スペイン人指揮官の目には、日本のサッカーや日本代表がどのように映っているのだろうか。

――リカルド監督が徳島で指揮を執り始めた2017年以降、日本サッカーは成長していますか。

「日本のサッカーは、とても成長していると思います。特に大きいのは、選手一人ひとりの、個々の成長でしょう。海外のクラブでレギュラーを獲得している選手が増え、彼らは高い評価を得ています。

 そうした選手が集う日本代表も、危なげなくW杯予選を突破。国際ゲームでもいい結果を収めています。前回のカタールW杯(2022年)では、ドイツ、スペインといった強豪相手に勝って、アジアのなかでは突出した存在で、世界でも十分に戦えることを証明しました。代表のプレースタイルは明確ですし、それに能力の高い選手がフィットしている、というのが今の日本代表の強さだと思います」

――確かに、代表選手のほとんどが海外組で、その数はさらに増えています。ですが、ビッグクラブでプレーしている選手はまだまだ少ないです。そのあたりは、どう見ています。

「(各選手にとって)ビッグクラブが最適な選択なのか? というと、監督目線で言わせてもらえば、必ずしもそうとは限りません。選手の成長を促すうえで大事なのは、環境でしょう。高いレベルで拮抗した試合をどれだけ経験できるか。それを積み重ねていくことが重要だと思います。

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