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「Jリーグイチバズっている男」田中パウロ淳一が語るJ3栃木シティ「3年連続昇格への道」 (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao

【ゴール動画がJリーグイチバズっていると評判に】

「選手のエネルギーを、今矢さんらスタッフがうまく整理し、戦術として形にしてくれている。練習から試合を想定したシチュエーションが多く、実戦でも自然と体が反応する感覚があります。過去の経験で言えば、チームの結果は選手の質や調子に委ねられる部分が多いと思いますし、僕自身、常に結果を残さないといけないという気持ちで臨んでいました。いいプレーができて試合に勝てば喜んで、逆なら落ち込むみたいな。でも、それだとチームは安定しないですよね。

 いまの栃木シティはそこが違い、データや確率を重視しながら今矢さんにいい意味でコントロールされ、個で戦うのではなく、チームとして戦っているから浮き沈みが少ないんじゃないですかね」

 田中パウロは川崎フロンターレ(12-13年)を皮切りに、ツエーゲン金沢(14-15年)、FC岐阜(16-18年)、レノファ山口(19-20年)、松本山雅(21-22年)、栃木シティ(23年~)とクラブを渡り歩いてきた。これまでのキャリアで1シーズンの最多得点はFC岐阜時代の18年(J2)の8ゴール。それが今季はシーズン折り返し前に7ゴールまで数字を伸ばしている。

「(なぜ得点が増えているか?)チームが攻撃的で、僕のところにたくさんチャンスがきているからじゃないですか。ラッキーな面もあるし、試合を見てもらえるとわかると思いますが、僕はほとんど守備をしないで攻め残りしていますから。それに、そもそも期待されていなかったぶん、いい意味で力まずシュートを打てているというか(苦笑)。

 関東リーグやJFL時代は、守備をする時間も長かった。でも、いまはある程度攻撃に専念できている。ここからはそう簡単にはいかないと思いますけどね」

 J3とはいえ、右サイドからカットインして振り抜く左足の威力は際立っている。今季、田中パウロが決めたゴールのほとんどはゴラッソで、JリーグのYou Tubeでも、ユニークなゴールパフォーマンスもあって、そのゴール動画はJリーグ1バズっていると評判だ。

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