【Jリーグ】開幕5試合でわかった今季J1期待のクラブ 新戦力のフィットや昨季からの積み上げに成功 (4ページ目)
【サッカーが変わった柏、昨年から進化した町田】
今季の序盤の主役クラブのひとつは、間違いなく柏レイソルだろう。昨季はなんとか残留を果たした柏だったが、今季からリカルド・ロドリゲス新監督が就任すると、たちまち魅力的なサッカーを展開。開幕から4試合で3勝1分と好スタートを切った。
昨季は守備に重きを置き、カウンターが主体のチームだったが、リカルド・ロドリゲス監督は自分たちがボールを握るサッカーを志向。どの試合でも相手より高いポゼッション率を記録し、主導権を握ってきた。
1-3で敗れた第5節鹿島戦では、ゴール前でのクオリティに相手との差を感じたが、この魅力的なサッカーでどこまで勝ち星を積み上げられるのか興味深い。
最後は昨季J1初挑戦ながら3位と躍進した町田。今季は開幕の広島戦で敗れ、黒星スタートとなったが、徐々に今季の戦い方が馴染んでくると直近2試合では連勝と勢いに乗ってきた。
昨季前半戦は韓国代表FWオ・セフンの空中戦の強さを軸に相手を圧倒した。しかし、後半戦には対策され、行き詰まった。今季はオ・セフンの高さも生かしながら、引いてくる相手にはボールを握り、相手を引き出してからロングボールで裏を狙うという形も志向する。
その形がハマってきたのが直近の2試合。ともに2得点と複数のゴールを奪い、町田らしい守備の強さで勝ちきってきた。西村拓真、岡村大八、前寛之ら新戦力もすでにフィットし、チームはさらに厚みを増している。2年目のJ1でも町田は躍進できるのか注目したい。
著者プロフィール
篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)
1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。
【写真&選手紹介】中村草太、稲村隼翔ほか 今季注目!サッカー界の「ドラ1」選手たち
4 / 4