丹羽大輝と家長昭博が語る復興支援活動への想いと、お互いのこと「全然変わっていない」「むっつりスケベな感じも昔のまま」 (4ページ目)

  • 高村美砂●取材・構成 text&photo by Takamura Misa

――今回、おふたりが贈られたミニゴールも、子どもたちが遊んだり、ボールを蹴る環境に自然と溶け込むものになるといいですね。

丹羽 まさにそう思います。そして、そういう環境を通して子どもたちが夢を見つけたり、何かを頑張るきっかけになったらうれしいです。ひいては、全国各地で起きるいろんな人と人との連鎖が、20年後、30年後に日本にもスポーツ文化やサッカー文化が根づくきっかけになっていけばいいな、とも思っています。

――ガンバ大阪ユース時代はともにボールを蹴っていたおふたりが今や38歳に。お互いの"今"をどのように見ていらっしゃいますか?

家長 年齢だけ大きくなっただけで、基本的な丹羽ちゃんのイメージは全然変わってない気がします。もちろん考えていることは少しずつ、その時々で形を変えていると思うけど、人としてのベースは変わっていないというか。だから、スペインでプレーしていることにも驚きはないし、サッカーにも全力で情熱を注いで、オフシーズンも「動きすぎちゃう?」ってくらい精力的に動き回っているのも、ある意味でイメージどおりです。

丹羽 アキも......うん、変わらんな。普段から電話で話していても全然変わらんし、常に自分の尺度でいろんなことを考えているのも、アキやなぁって思う。世間的には、アキはあまり喋らへんイメージがあるかもやけど、実はめっちゃ喋るしね。そういうむっつりスケベな感じも昔のまま。

家長 どういう意味!?

丹羽 何に対しても自分なりの考えをしっかり持っているし、自分の行動にも意外と熱い想いとか秘めているのに、それを世間にはなかなか伝えないっていう意味。ユースの頃から常に、自分の考えは10あっても1で伝えようとしてきたし。

家長 あくまで簡潔にね。

丹羽 簡潔も大事やし、その1で10がちゃんと伝わっているならいいけど、実際は伝わってないことがほとんどやん? だからせめて、2くらいのボリュームで伝えたら? って思うのに、今も相変わらず世の中には1で伝えようとしてる。2018年にJリーグのMVPを獲得した時のスピーチも、もっと思っていることはあったはずやのに、めちゃ簡潔だったし(笑)。

 昔から海外サッカーもよく観ていて、めちゃ面白い見方をするのに、メディアの方に「今年のEUROはどうですか?」って聞かれると、「面白いんじゃないですか」で終わる、みたいな。トレーニングだっていろいろ面白いことをやっているのに全然、明かさへん。

家長 トレーニングはみんなやっているから。僕も自分のできる範囲で、できることをやっているだけよ。

丹羽 たとえば?

家長 その説明が難しいんよね。というのも、基本的に僕の行動は、ほぼ思いつきやから。今の世の中は、何をしたらどうなる? ってすぐに答えを求めてくるけど、正直、その答えって自分のなかにしかないと思うしね。

 人それぞれ持って生まれたフィジカルも、体の大きさも違うし、これをしたらうまくなる、この練習をしたらこのプレーができるようになるって過程も違う。だから、僕のやっていることを伝えたとて、参考にならないんじゃないかって思ってしまう。

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