J2ウォッチャー・平畠啓史さんの2024シーズン中間報告 上位3つの強さと今季抑えておかないといけない注目チーム (2ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu

【V・ファーレン長崎は外国籍選手が機嫌よくプレーしている】

 長崎と言えばどうしたって、前の外国籍選手に注目しがちですけど、もちろんそこはすごい選手がいるけど、それだけじゃなくて下平隆宏監督になってからの後方での作りは、すごく改善されたことを伝えたいですよね。

 おっかなびっくりなビルドアップがまったく見られない。DFの櫛引一紀選手と田中隼人選手に落ち着きがあります。そしてMF秋野央樹選手のさばきですね。モンテディオ山形とかもそうですけど、スムーズにハーフラインを越えていくチームですよね。ハーフラインを越えていくのに難儀するチームが意外と多いなかで、長崎や山形とかを見ているとうまいこと入っていくんやなって感じます。

 あと、下平監督ってベンチプレスで120キロ上げるらしいんですけど、やばいじゃないですか(笑)。筋肉ムキムキじゃないですか(笑)。

 FWエジガル・ジュニオ選手がスタメンで、途中から去年得点王を取ったFWフアンマ・デルガド選手が出てくる。フアンマ選手がスタメンじゃなくて、ちょっとすねたりしてもおかしくないと思うんですよ。

 だけど、そういうふうなことにはなっていない。下平監督は外国籍選手を使うのがうまいんだと思います。その理由のひとつがもしかしたらあの筋肉ちゃうかと思ってます。あれでビビらすわけじゃないですが、威厳を見せると。なんか言葉よりも、「この監督強そうやな」みたいな人に思われたほうが、外国籍選手も言うことを聞くんじゃないかという。

 なんにせよ、外国籍選手をうまく機嫌よく使っている感じがあります。外国籍選手、特に前の選手というのはプライドも高いし、途中出場でへそを曲げることもなくはないと思うんです。でもそれを受け入れてやっているのは、やっぱり下平監督のマネントがすばらしいんじゃないかなと思ってます。

【タレント力がある清水エスパルス】

 エスパルスは、ホームで圧倒的に強いです。理由はわかりませんが、なんでアウェーで勝たれへんのやろう。選手層も厚いし、いろんな並びとかも試せるし、もっと勝ってもおかしくない。アウェーで勝てないことが続くと、周りも内弁慶じゃんみたいなことを言うので、それを気にしてしまうところもあるんですかね。

 清水というサッカーどころの土地柄、プレッシャーがかかってくるところもあると思うんで、そこはなかなか難しいですよね。爆発力というか、もともとポテンシャルはすごくある。アウェーもまた勝ち出したら、止まらないんじゃないかなとも思います。

 上位3つ、全部そうかもしれないですけど、攻撃力やタレント力みたいなのが清水にもありますよね。たとえば途中からMF松崎快選手が出てくると流れが一気に変わる。いろんな組み合わせも持っていて、後ろも「3」だったり「4」だったり。今年はボランチの宮本航汰選手と中村亮太朗選手のふたりがガッチリ効いてるのが、やっぱり大きいなと思います。

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