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中村俊輔を目標にする天野純「凄みのあるプレーを見せて、チームを優勝に導き、MVPを獲る」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun

 一方、チームのスタイルは変わりつつある。F・マリノスといえば流動的な攻撃が特徴だったが、キューウェル監督はポジショニングを細かく設定している。流動性を若干制限しつつ、攻撃の再現性を求めている。

――ビルドアップの際のポジショニングなど、かなり細かいと聞いています。実際、プレーしていて、どう感じていますか。

「ポジショニングへのこだわりがある監督ですので、今は言われたところと、どこまで許容されるんだろうというのを、監督の反応を見ながら試している感じですね」

――具体的には、どういう制限がかかるのですか。

「2シャドーでいうと、下がってボールを引き出す動きについては、あまりいいと思っていないようなので、『相手のボランチとセンターバックの間にポジションを取って、ボールを待っているように』と言われます。でも、出し手との距離が遠くなってしまうケースもあるので、そこは自分が落ちたほうがいいと判断した時は下がって受けに行きますけど、『そこで我慢するように』と結構厳しく言われますね」

――天野選手は、ボールに触れていたいタイプですよね。

「そうですね。今のスタイルだと我慢する時間が長くなりそうですけど、自分で考えてプレーするのもサッカーじゃないですか。監督の求めることプラス、自分のよさを出していけるように今、模索中です」

 F・マリノスの前線には、昨季22ゴールで得点王に輝いたアンデルソン・ロペス、左にエウベル、右にヤン・マテウスの外国籍トリオが並び立つ。それぞれの動きは把握しているので戸惑いはないが、天野自身が韓国の蔚山で培った得点力を発揮できるかどうか。チームの躍進においては、そこがカギになりそうだ。

――以前からですが、F・マリノスは昨季も攻撃は外国籍選手への依存度が高かったです。

「昨年は、攻撃のところでは"前3人にお任せしますので、行ってらっしゃい"みたいなところが多く、逆に前線の連係で崩すシーンが少なかったので、攻撃が面白くなくなってきているなと思いました。単独突破もいいけど、攻撃の面白さって、即興で、コンビネーションで崩していくところにあると思うので、そこを作っていくのが自分の役割だと思っています。とにかく、前の外国籍選手に頼り過ぎないようにしていきたいですね」

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