J1自動昇格残り1枠を得るのは清水エスパルスかジュビロ磐田かそれとも...大激戦の昇格争いを占う (3ページ目)
J1自動昇格残り1枠は清水か磐田のどちらか
直接対決がその行方を占う試金石
小宮良之氏(スポーツライター)
今シーズンのJ2において、静岡の"2強"であるジュビロ磐田、清水エスパルスがJ1自動昇格圏内まで浮上してきたのは、当然の流れと言えるだろう。
どちらも長くJ1を主戦場として、J2の各クラブと比較し、資金や施設などで遥かに恵まれ、単純に戦力的に優れている。日本代表経験のある選手、もしくはJ1での試合出場経験が豊富な選手を多く擁し、個の力で凌駕できる。たとえば、清水のFWチアゴ・サンタナは昨シーズンのJ1得点王である。
清水は、序盤戦の出来が悪すぎた。昨シーズン、勝ち筋が何ら見えないなかでチームを降格させたゼ・リカルド監督を留任させたことが、そもそも理解に苦しむ決定だった。
秋葉忠宏監督への交代で急浮上したように、"まともにやれば"もっと簡単にJ1昇格の道筋を捉えることができていただろう。首位を走るFC町田ゼルビアと入れ替わっていても、不思議はなかった。乾貴士など、明らかにJ1を舞台にすべき選手だ。
一方で横内昭展監督が率いる磐田も、FIFAから補強禁止処分を受けたとはいえ、現有戦力で十分に他のクラブを上回るチームと言える。リカルド・グラッサ、ドゥドゥなどはJ2では有力な外国人選手だし、山田大記、遠藤保仁のようなベテランたちは"チームのおもし"になっている。
そして、ジャーメイン良、後藤啓介、松原后、松本昌也、金子翔太、上原力也などが複数得点を記録し、むしろ限られた戦力で、総力を挙げた戦いを見せる。
"2強"のいずれかがJ1自動昇格の座を手にする可能性が高い。ただ、どちらも戦い方の仕組みが固まっているわけではなく、個の出来が結果を左右することになるだろう。清水は第37節で藤枝MYFCに敗れ、14試合で無敗記録がストップし、勢いはやや弱まった感もあるが......。
10月7日、両者の直接対決は、J1昇格を占う試金石になるはずだ。
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