101回目の高校サッカー選手権で頂点に立つのはどこか。昌平、前橋育英、大津......。優勝候補各校の戦力、注目選手をチェック (3ページ目)

  • text by Matsuo Yuki

【大津は点を取りきれるチームになった】

昌平、前橋育英、大津など、優勝を狙うチームが集まったブロック昌平、前橋育英、大津など、優勝を狙うチームが集まったブロックこの記事に関連する写真を見る――そして、大激戦が予想されるのが、前大会準優勝の大津(熊本県)が入ったブロックです。

土屋 ここは大変ですね(笑)。

森田 どこにも優勝の可能性があるんじゃないですか(笑)。大津はプレミアリーグでかなり揉まれてよくなったんですけど、選手権初戦で当たる浜松開誠館(静岡県)をプレミアリーグ参入プレーオフで見たら、めちゃくちゃいいチームでした。守備がきちんとしていて、縦に速いサッカーと思いきや、トップ下を軸にボールもつなげるんですよね。FWに坂上輝(3年)がいるのは大きいですね。

松尾 最終ラインもサイズがありますしね。

土屋 とはいえ、大津はいいですよね。終盤、大津はプレミアリーグで6連勝をしているんです。FW小林俊瑛(3年)はもちろん、注目選手に挙げたFW山下基成(3年)が夏以降にレギュラーに定着して、小林選手と2トップを組んでいます。プレミアリーグ後半戦だけで7点とっていて、最後は3戦連発。あそこに彼がハマったのは大きい。点をとりきれるチームになった印象がありますね。

森田 サイドハーフの選手層も厚い。MF田原瑠衣(3年)が疲れて交代したと思ったら、また厄介な選手が出てくる。

土屋 MF岩﨑大翔(3年)とかですね。相手は嫌ですよ。

森田 今年はサイドハーフを途中で変えるのを戦術としてやっていますよね。

松尾 インターハイもそうでしたよね。

土屋 両SBがいいので、サイドハーフが変わっても守備が崩れない。特に右SBのDF坂本翼(3年)は高体連のなかでトップクラスのSBだと思いますね。

森田 初めて今年の大津を見た時に、目についたのが坂本でした。

土屋 パンツにユニホームをしっかり入れて、絶対いい子なんだろうなと僕は思いましたね(笑)。話しても本当にちゃんとした子で、注目したい選手の1人。

松尾 あと今年はセカンドGKに大宮アルディージャの南雄太選手の息子さん、南太童(3年)がいるんですよね。

森田 キャラクターがいいですよね。

土屋 個人的には成立学園(東京都B)が勝ち上がれば、大津といい試合をやってくれるんじゃないかなと。今年の東京都は帝京、國學院久我山、成立学園の3強だったんです。そのなかでも成立学園はいいサッカーをしていて、常に見ていて面白い。

 17年ぶりの出場なんですけど、今までは都予選の準決勝、決勝に勝ち上がってくるけど、あと一歩で負けていました。ただ、山本健二監督は(運を)持っている人で、成立学園の歴史で初めて全国大会に出た時も監督をやっていたんですよ。ご本人は韮崎高(山梨県)で1年から3年まで選手権に出場して、すべて国立の舞台を経験しているんです。その山本さんが開幕戦で国立の舞台に帰るのは面白いんですよね。大津と張り合えるポテンシャルはあるチームだと思いますよ。

森田 今年の立正大淞南(島根県)はいい選手が揃っていますね。ただ、このブロックを勝ち抜くのは大変かもしれないですね。

土屋 立正大淞南と初戦で対戦する日本文理(新潟県)もいいですよ。2トップは2人とも馬力がある。トップ下のMF塩崎温大(3年)も効いていて、パスを出せる選手。ゲームの展開によってはダイヤモンドからドイスボランチにも変えられるし、左SBのDF小林倫太朗(3年)はプレースキッカーでかなりのものがある。基本的には馬力があって、前に行けるチーム。新潟県予選でも帝京長岡に完勝して勝ち上がってきたので、面白い気がしますね。

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