現役最強! 福森晃斗が選ぶ、Jリーグ歴代フリーキッカートップ10。「到底追いつけない3人がいる」

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

福森晃斗が選ぶ Jリーグ歴代フリーキッカーランキング

直接FKでゴールを狙う場面は、サッカーのひとつの見せ場である。このシーンにおいてJリーグで度々注目を集めているのが、北海道コンサドーレ札幌の福森晃斗だ。今回はその福森選手自身に、Jリーグの歴代フリーキッカーのトップ10を選んでもらった。

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「こんなのもあるんだ!」というFK

10位/エディ・ボスナー(元ジェフユナイテッド千葉、清水エスパルスほか)

 ボスナーさんは清水エスパルスでプレーしている時に初めて見たんですが、それまでカーブで巻いて蹴るFKしか見てこなかったので、強烈なストレート系のFKを見て「こんなのもあるんだ!」と衝撃を受けました。

 僕もあのキックにずっと憧れていて、2019年のアウェーの清水戦で距離はちょっと近かったですけど、思いっきりストレートで蹴って決めたことがあります。正直、今はもうストレート系は蹴れないですね。

 距離が遠かったり、中途半端な距離だったりした時に、どうしたらいいかと悩むことがあるんですけど、ストレート系のキックを持っていると、どんな距離でも射程圏内なので便利なんですよね。

 遠目の位置から壁とかGKとか関係なく、爆発的なキックでゴールネットに突き刺すボスナーさんの姿は、みんな憧れたと思います。

9位/三浦淳寛(元横浜フリューゲルス、横浜F・マリノスほか)

 三浦さんは無回転のボールが印象的で、Jリーグのなかで無回転ボールの元祖のような存在だったと思います。それ以外にも巻いたボールや、多彩なキックを持っていた印象があります。

 無回転ボールが蹴れることで、距離に関係なくゴールを狙えるのは、フリーキッカーとして優れていると思っています。

 三浦さんのキックは助走を真っすぐに入るタイプだったので、斜めに入る僕とは違っていて参考にしたくてもできないところがありました。助走で真っ直ぐ入って蹴るためには、内転筋の柔らかさと強さがなければできないんですよね。

 縦に落ちるようなキックも得意だったと思うんですけど、あれも三浦さんの内転筋の強さがあってできたキックだったと思います。

8位/中村憲剛(元川崎フロンターレ)

 憲剛さんのFKは、落ちるボールも蹴れるし、距離によっては巻いて落としたり、スピードを上げたり、すごく柔軟に蹴り分けられるんですよね。それを川崎時代に生で見ていたので、よりそのすごさを感じることができました。

 キックの多彩さよりすごかったのは、精度の高さです。壁は関係ないんじゃないかと思わせるくらいの精度があって、間近で見て学んでいました。憲剛さんはガニ股で股関節の開きが特殊なので、キック自体はマネようと思ってもできるものではなかったです。

 川崎時代に移籍を悩んでいる時に憲剛さんに相談させてもらって、「川崎で100%の実力を出して出られないのなら移籍という選択はいいと思う。でもなにもせずに移籍するのはただの逃げになるんじゃない?」と言われたのが、今でも心に残っています。

 その言葉があってもう1年残って、ベンチに入ることができたり、最終節のヴィッセル神戸戦で先発出場できたんですよね。あの経験は今にもつながっていると思います。

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