山田暢久が選んだ歴代日本人サイドバックトップ10。1位は「真面目さが顔に出ている」あの選手
元浦和レッズ・山田暢久インタビュー 前編
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浦和レッズ一筋でJリーグ540試合に出場したレジェンド選手、山田暢久氏をインタビュー。本人が長く務めた右サイドバックの視点から、歴代日本人サイドバックのトップ10を選んでもらい、その評価を聞いた。
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サイドバックランキングで度々名前の挙がる、名良橋晃(左)と駒野友一(右)この記事に関連する写真を見る
サイドバックで高身長は大きい
10位 冨安健洋(アーセナル)
冨安選手は、センターバックが本職ですが、今季のアーセナルでは右サイドバックで起用され、高い守備力を武器に大きなインパクトを与える活躍をしました。
身長は188cmと大きく、プレミアリーグでも負けないフィジカルと空中戦の強さがあって、セットプレーでは得点も期待できます。
日本のサイドバックは高身長の選手が少ないですが、冨安選手は逆サイドにボールがあって中に絞る時に、センターバックのような役割も果たせる。これはチームの戦術的にも非常に大きいと思いますね。
攻撃においても足元の技術が高くて、判断も非常に早く、優れているので、守備はもちろんのこと、攻撃でも光るものを感じます。
センターバックとサイドバック、しかもどちらのポジションでも左右両方を高いレベルでこなせるのは、監督にとって非常に計算しやすく、重宝する選手だと思います。
9位 三都主アレサンドロ(元浦和レッズほか)
2002年日韓W杯、2006年ドイツW杯と、2度のワールドカップに出場している代表的なサイドバックのひとりだと思います。
彼はとにかく攻撃センスの際立った選手でした。スピードのあるドリブル突破があり、高精度の左足のキックは、クロスとセットプレーともにチームにとって武器になります。
守備能力に関しては、ランキングに挙げるほかの選手と比べて劣る部分ですが、攻撃能力がそれを補っていました。
清水エスパルス時代はよくマッチアップしましたが、対戦するのが嫌な選手でもあり、楽しみな相手でもありました。とにかくスピードがあったので、対応する時はスピードに乗らせないために自分から仕掛けること。それから左足を使わせないことを意識していました。
浦和レッズや日本代表で一緒にプレーしましたが、僕のサイドが守備的な動きでバランスを取って、彼の攻撃能力を生かそうと考えることが多かったです。やっぱり僕が上がるよりもアレックスが上がったほうが相手にとっては嫌ですから。
攻撃的サイドバックとして歴代でも屈指の選手だったと思います。
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