「勝てる試合も勝てない」ヴィッセル神戸がヤバい。V候補のタレント軍団がハマッた悪循環

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 優勝候補が、まさかの超低空飛行を続けている。

 今季J1で9試合を戦い終えたヴィッセル神戸だが、まだひとつの勝ち星もなく、これまでの成績は5敗4分け。手にした勝ち点はわずか4にとどまり、ブービーの17位に沈んでいる(第7節終了時点。神戸はAFCチャンピオンズリーグの日程との兼ね合いで、第9、10節分の試合を前倒しで消化している)。

 つまり、このままの順位で終わるなら、来季はJ2降格である。

 各クラブ間の実力が接近しており、何が起こるかわからないのがJリーグの特徴とはいえ、神戸がこれほど低迷するとは、まさかの事態である。

第7節ではFC東京に逆転負けを喫したヴィッセル神戸第7節ではFC東京に逆転負けを喫したヴィッセル神戸この記事に関連する写真を見る 時間を今季開幕前に戻せば、神戸を優勝候補の一角と見る向きは多かった。

 昨季の神戸は、J1で3位。シーズン中盤から徐々に調子を上げ、最後は鹿島アントラーズとの3位争いを制し、ACL出場権も手にしていた。

 チームを率いる三浦淳寛監督も就任3年目を迎え、今季は集大成のシーズンになると考えていたに違いない。

 選手の顔ぶれを見ても、MFアンドレス・イニエスタは言うに及ばず、FW大迫勇也、FW武藤嘉紀ら、日本代表経験も豊富な"逆輸入"選手を次々に獲得。名実ともに豪華メンバーがそろっていた。

 だからこそ、打倒・川崎フロンターレの有力候補と見られていたわけだが、今となっては優勝を狙うどころか、いかにしてJ2降格を避けるか。テーマは大きく下方修正されている。

 成績不振を受け、クラブはシーズン序盤にして三浦監督を解任。育成部門のコーチを務めていたリュイス・プラナグマを暫定監督に据えたものの、その後も2戦2敗と、事態を好転させるには至っていない。

 それどころか、監督交代後の2試合は、いずれも先制しながらの逆転負け。むしろ不安を増大させるような負け方が続いている。

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