セレッソ大阪が強い。王者・川崎を撃破、前評判を覆す躍進には理由がある (2ページ目)
今季J1の序盤戦を見ていると、よくも悪くも前評判を覆すチームが目につく。
なかでも、いい意味で大きく予想を裏切っているのが、C大阪だろう。
今季開幕を前に、C大阪の評価は決して高いものではなかった。昨季まで攻守の要となっていたMF坂元達裕とDF瀬古歩夢が相次いで海外移籍。その一方で目立った補強はなく、昨季12位に終わったチームは、苦しい戦いを強いられるシーズンを迎えるかに思われた。
ところが、直近の第6節終了時点で2勝3分け1敗と上々のスタートを切ったC大阪は、ここまで勝ち点9の5位。加えてルヴァンカップでも、ガンバ大阪とのダービーマッチを制するなど、グループステージ3戦3勝と好調な戦いぶりを見せている。
しかも、ただ単にスタートダッシュに成功したという以上のものを感じさせるのは、そこにジワジワと加速している印象が加わるからだ。小菊監督も、「キャンプから積み上げてきたものを、チームで共有できる段階にきている」と手応えを口にする。
川崎相手に2ゴールを決めたセレッソの山田寛人(右)この記事に関連する写真を見る そんなチームの原動力となっているのが、2トップを務めるふたりの若手FWだ。
22歳の山田と24歳の加藤は、J1での通算出場試合数がいずれも40試合に満たず、通算得点数もひと桁。経験という点では、心もとないと言わざるを得ない。
実際、昨季から2トップを組むことが多かったふたりは、ハードワークをいとわず、チャンスを作り出してもいたのだが、そこに得点の匂いはあまり感じられなかった。
だが、どこか頼りなさのあった雰囲気も、今季は変わりつつある。
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