鹿島アントラーズ、完敗でも十分に見えた2つのポジティブ要素。王者相手に課題も露わ (2ページ目)
実は鹿島は前半途中にも一度、4-2-3-1へとシステム変更を図っている。攻撃の糸口を見出せなかったため、2トップのひとりであるFW鈴木優磨を左MFに移すことで、サイドで攻撃の起点を作ろうとしたのだろう。
結果的にこれは功を奏さず、前半のうちに元の4-4-2に戻すことにはなったのだが、これだけ早く動けるということは、新指揮官不在であっても、日々のトレーニングから相応の準備がなされていることを裏づける。
まだ先の長いシーズンを考えれば、柔軟に使いこなせる複数の戦術オプションは、大きな武器となるはずだ。
そしてもうひとつ、鹿島からポジティブな印象を受ける理由は、新戦力を加えて質量ともに厚みを増した攻撃陣にある。
鈴木優磨が復帰するなど、攻撃陣の厚みが増している今季の鹿島アントラーズこの記事に関連する写真を見る 今季、ベルギーのシント・トロイデンから復帰した鈴木がFW上田綺世と組む2トップは、得点能力の高さではJ1屈指。少々の劣勢でも、ワンプレーで試合の流れを変えてくれそうな雰囲気を常に漂わせる。
加えて、能力的にはふたりにまったく引けをとらない、FWエヴェラウドもベンチに控えているのだから、選手層は厚い。
また、サガン鳥栖から移籍加入したMF樋口雄太は、機動力を生かしながら高い技術を発揮できるタイプの選手。昨季ブレイクしたMF荒木遼太郎との相性もよさそうで、互いの特長を引き出し合えそうな気配を見せる。
その結果、これまでやや持て余し気味だった、ディエゴ・ピトゥカのパス能力を最大限に引き出すことにつながれば、1+1が3にも、4にもなっていくはずだ。
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